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ちょっと長くなって恐縮ですが
昨年、私の小学生のころからの疑問がついに解けた話です。
その日、私は陶芸の先生のアトリエがある留寿都村へ車を走らせていました。
雪が降る前にと思っていましたから確か12月上旬、よく晴れた早朝のことです。
中山峠を越えてまもなくつづら折れの国道230号線、車の背後から透き通るような朝日が
左右のこんもりとした小山を交互に照らしてゆきます。
陽光を反射して清純な朝霧が紅葉の名残をとどめる山肌にきらきら輝いています。
するとなんと右手にひとつ、また左手にひとつと車の走行にあわせて虹のオンパレードではありませんか。
しかもすぐ手に取れるような近さに!
私はすぐ思い出しました。小さいこどものころの疑問。
自転車で追いかけても追いかけても解けなかった二つの疑問。
いったい虹の「橋の橋のたもと」はどうなっているのだ?
地面から突き出ているところの大きさは? 形は?
そして虹の橋の下はくぐれるのか?
田植えの中休みに見たキトウシ山にかかる虹は
思いのほか遠くて遠くて、
いくら追いかけてもずっと遠いまま、
その足元を垣間見せてもくれませんでした。
忘れかけていた子供のころのたわいもない疑問。
疑問解決に千載一遇のチャンスです。
この虹はどうだ?近づいてくる、近づいてくる。たもとは見えるか?
残念、たもとは小山の向こうに隠れて確認不可。
次の虹はどうだ?近づいてくる、近づいてくる。虹のアーチが近づいてくる。
その下を車ごとくぐれるか?
おもわず首をすくめてくぐろうとしたが、虹はスーッと右に逃げて左カーブの国道を外れていった。
(車が虹と同行しなくてホー) 
そんなことを繰り返すこと数回、ついに疑問解決に恰好の虹にめぐり合ったのです。
今度の虹はいいぞ、今度の虹はいいぞ。近づいてくる、近づいてくる。
国道をまたいでかかっているようだ、しかも左側のたもとは道のすぐ左脇にある! 
今度こそ、獲物を逃がさないように、虹の手前30メートルほどに車を静かにとめる。
抜き足、差し足、息をひそめてそっと歩を進める。
5メートルほどに近づいたときひとつ目の疑問が解けました。
虹の橋のたもとは実は何もなかったのです。
虹の橋の七色は地上1メートルほどから視覚認知可能、しかしその下は何もなし。
何度も眼を凝らしましたがやはり何もなしでした。
気を取り直して虹のアーチをくぐるべく、残り5メートルをゆっくり、ゆっくり近づく。
結果は?
二つ目の疑問の答えはこうです。
残念ながら虹のアーチはくぐれません。
近づけば近づいただけ逃げてゆくのです。
逃げ水と同じ? 思い切って走り抜けてみると
自分の前にはもちろん、振り向いた後ろにも虹の痕跡もありませんでした。
考えてみれば虹は自分の後方から陽光がさす場合に限り、
光が空中の細かな水滴に反射、 分散して自分の前上方に見えるわけです。
地面の近くは見る角度も悪いし、地熱で空中の水滴も蒸発して虹はできないのでしょう。
虹をくぐったつもりで振り向けば陽光は自分の前方からさすことになるのですから、
虹が跡形もなく消えてしまうのは当然です。
そういえば庭の芝に散水しているときにもよく経験済みのこと? 
こう考えると体から力が少し抜けてしまいました。
(早起きのキツネには怪しくも滑稽な風景だったことでしょう)
(H16年8月  南区支部だより)
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