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16. 三叉神経痛 (さんさしんけいつう) 17. 慢性硬膜下血腫 18. 神経調節性失神
13. 急性末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺) 14. 未破裂脳動脈瘤 15. 脳血管性痴呆
10. 正常圧水頭症 11. 良性発作性頭位めまい 12. 一過性脳虚血発作
7. 眼虚血症候群
(がん・きょけつ・しょうこうぐん)
8. 手根管症候群
(しゅこんかん・しょうこうぐん)
9. むずむず脚症候群
(レストレスレッグス症候群)
4. くも膜のう胞 5. 低髄液圧症候群 6. 頭部帯状疱疹
1. 髄膜炎(ずいまくえん) 2. パーキンソン病 3. 繊維筋痛症とリウマチ性多発筋痛症
 
17. 慢性硬膜下血腫
   
質問:
私の85才の母のことでお伺いします。最近、頭が重いと訴え、寝てばかりいるようになりました。
 
何となく足もとがふらついて転びやすく、トイレに間に合わないこともあります。
 
年のせいかとも思いますが、2週間ほど前、公園を散歩中、転んだのか額をすりむいて帰ってきたことがあり、気になっています。

答え:
あなたのお母さんは慢性硬膜下血腫を起こしている可能性がありそうです。
 
この病気は頭部外傷後3週間程度経過してから徐々に発症し、頭痛、歩行障害、痴呆が出現する病気です。
 
脳を覆う硬膜の下、脳の表面にひと月前後かけて徐々に血液が貯留して症状が出現するためこう呼ばれます。
 
外傷の程度は様々ですが、意識障害や頭蓋骨骨折を伴うような重症の外傷は少なく、お母さんのように“こぶ”や擦過傷ですむような軽度の外傷が多いとされています。
 
どうして血液が貯留するのか必ずしも明らかではありません。頭部外傷後、脳の表面に少量の出血が起きる、そこに髄液が混入して血の塊(血腫)を包む被膜が形成される、その被膜に新生した血管から出血が繰り返される、また、血腫被膜内外の浸透圧格差により血腫が増大すると考えられています。
 
 
典型的には50才以上の中高年、とくに70才以上の男性高齢者、アルコール多飲者に多いとされていました。
 
これは外傷前から脳の萎縮があり硬膜の下の隙間があいていて出血し易いこと、またアルコール性肝障害により出血傾向を伴っている可能性が高いためです。しかし実際は若い人、女性にもみられます。
 
症状は通常、週単位で変動しながら徐々に進行します。
 
血腫が増大し脳を強く圧迫するようになると、頭痛および血腫の溜まった側と反対の足の麻痺による歩行障害が出現します。
 
しかし、お母さんのように80才以上の高齢者で脳萎縮の存在が想定される場合、また血腫が両側に貯留した場合には典型的な症状を呈さないことがあります。
 
 
早めに脳神経外科を受診されてください。
 
診断はMRI検査により容易になされます。
 
治療は頭蓋骨に小さな穴をあけ血腫を洗い流す細い管を血腫内に挿入する手術です。
 
局所麻酔でできる比較的簡単で安全な手術で1週間程度の入院ですみます。
 
一晩、管を頭部に留置して血腫を洗い流すと頭痛、歩行障害は多くの場合、翌日から著しく改善し痴呆症状も徐々に軽快します。
MRI:慢性硬膜下血腫  
MRI:慢性硬膜下血腫
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